5G国際シンポジウム2018開催概要報告

平成30年4月9日
5G国際シンポジウム事務局

総務省並びに第5世代モバイル推進フォーラム、一般社団法人電波産業会及び一般社団法人情報通信技術委員会は、2020年に実現が期待されている第5世代移動通信システム(5G)について、5Gが実現する将来像や社会について「見る、知る、分かる」ことを目的として、国際シンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは、総務省が今年度から実施している「5G総合実証試験」の成果を広く周知するとともに、5Gが実現する世界を来場者に体感していただくために、会場内において総合実証試験に関する展示・デモを実施しました。また、国内外の5G利用産業に関する有識者・専門家によるプレゼンテーション・パネルディスカッションを通じて、本格的なIoT時代のICT基盤としての5Gがもたらすインパクトについて共有し、さらにその実現を加速するための環境や課題等について議論いたしました。

2日間で1100人を越える参加者があり、シンポジウムでは、立ち見が出るほどで、展示会場においてもすれ違うスペースが無いくらいの、盛況のうちに終えることができました。

1. 日付・場所:

日付:平成30年3月27日(火)〜28日(水)
場所:東京お台場 国際交流館プラザ平成 3階

2. シンポジウム概要

開会にあたり、主催者を代表して総務副大臣 坂井学様からご挨拶の後に、第5世代モバイル推進フォーラム 吉田 進会長(京都大学 名誉教授)から基調講演が行われました。

総務副大臣 坂井 学氏(左)、5GMF会長 京都大学 名誉教授 吉田 進氏(右)
総務副大臣 坂井 学氏(左)、5GMF会長 京都大学 名誉教授 吉田 進氏(右)

1)第1部:5Gで何ができるのか? 〜5G総合実証試験の成果 〜
〇進行役:5GMF 三瓶政一技術委員長(大阪大学教授)
〇プレゼンテーション(第1グループ)
-(株)NTTドコモ :「人口密集都市環境における5G超高速通信実証試験〜エンターテインメント/スマートシティ/医療応用分野〜」
-NTTコミュニケーションズ(株):ルーラル環境における高速移動時の5G高速通信実証試験〜エンターテインメント応用分野〜
〇プレゼンテーション(第2グループ)
-KDDI(株):5Gの超低遅延を活用した実証試験〜建設機械遠隔操縦、コネクティッドカー、ドローンからの高精細映像伝送〜
-(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR):5Gの超高速を活用した屋内環境での実証試験〜スタジアムエンターテインメント、駅構内の安心安全の向上、学校のICT教育〜
〇プレゼンテーション(第3グループ)
-ソフトバンク(株):自動運転を支援する5G超低遅延通信実証試験〜トラック隊列走行への適用〜
-(国研)情報通信研究機構(NICT):5Gの超多数同時接続を活用した実証試験〜災害避難所とスマートオフィスへの適用〜

2)スペシャルイベント〜5Gへの期待〜
〇進行役:5GMF 森川博之企画委員長(東京大学教授)
〇招待講演
株式会社セブン銀行 松橋正明常務執行役員より、セブンラボの取り組みや5Gへの期待等について講演がありました。
〇特別対談
森川博之企画委員長がモデレータを務め、登壇者として島田氏(ソニー)、谷田氏(JVCケンウッド)、藤岡氏(エリクソン・ジャパン)、松本氏(富士通)をお招きして5Gに対する期待、5Gに対応したビジネス、5G時代に求められる人材・組織をテーマとして特別対談を実施しました。

3)第2部:5Gで生活や仕事の何が変わるのか? 〜5Gによる社会変革〜
〇進行役:5GMF 岩浪剛太アプリケーション委員長(インフォシティ代表取締役)
〇講演
aba株式会社 宇井吉美代表取締役より、同社の取り組みや方向性、5Gへの期待等について講演が行われました。
〇パネルディスカッション
岩浪アプリケーション委員会委員長がモデレータを務め、パネラーに岩佐 氏(Cerevo)、宇井 氏(aba)、長瀬 氏(サイバーエージェント)のメンバーで、これまでの10年間でのスマートフォン等によるインパクトは?、10年後にどのように世の中が変わるか?、5Gの今後に期待することは?をテーマにパネルディスカッションを実施しました。

4)第3部:5Gをどう実現するのか?〜5G実現に向けたクロスオーバコラボレーション〜
(株)日本経済新聞 関口和一編集委員がモデレータを務め、石山氏(エクサウィザーズ)、富田氏(hapi-robo st)とでショートプレゼンテーション及び対談が行われました。
対談では、5Gにどのようなことを期待しているか、5Gを活用したアプリケーション、ビジネスの在り方、5Gを利活用する上での日本の仕組み・規制の課題について、5Gによる日本の産業革命・企業、教育の在り方の変化についてなどをテーマに進められました。

5)5G利活用国際連携セッション
(株)日本経済新聞 関口和一編集委員が進行を務め、以下のメンバーでパネルディスカッションを実施しました。
Pang-An Ting氏(台湾)、Ramazan Yilmaz氏(トルコ)、 Khoirul Anwar氏(インドネシア)、Saneh Saiwong氏(タイ)、Gérard Pogorel氏(フランス)、Pierre-Jean Benghozi氏(フランス)、Erik Bohlin氏(スウェーデン)、Martin CAVE氏(英国)
テーマとしては、各国の5G関連の取組みの紹介、5Gの全体像の捉え方、各国における最大の課題及び解決案、5Gの時代の日本、日本への期待などについて議論が交わされました。

閉会にあたり、ARIB松井専務理事より挨拶がありました。

3. 5G総合実証試験の展示・デモ概要

シンポジウム会場の隣、メディアホールを中心に、5G総合実証試験の展示ブースを設置しました。多数の来訪者があり、熱心に質問する姿が見られました。

展示会場の様子
展示会場の様子