5G国際ワークショップ2018が開催されました

主催:  総務省
共催:  第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
日時:  2018年10月17日(水) 14:00〜17:30
会場:  幕張メッセ国際会議場コンベンションホールA
来場者: 約500名

世界の各国地域において、2020年の実現を目標とした第5世代移動通信システム(以下、5Gという)に関する調査研究が活発に行われています。医療、教育のような様々な産業分野において5Gを利用する全く新しいモバイルサービスの導入が期待されています。

このような中、10月17日(水)、千葉・幕張メッセ国際会議場にて、CEATEC JAPAN 2018コンファレンスのプログラムとして、総務省主催、第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)共催による「5G国際ワークショップ2018」が開催されました。会場が満席となる来場者(500名以上)が参加し、大盛況となりました。

今回は「5Gパートナー連携の最前線」をテーマと題し、セッションにおいて5Gに向けた総務省の取り組み、携帯電話事業者によるパートナー連携に関する取組、海外や地域におけるパートナー連携の取組の事例について講演いただきました。

またパネルディスカッションには、国内外の学識経験者および地域におけるパートナー連携に取り組んでいるプロジェクト代表者がパネリストとして招かれ、5Gのパートナー連携の拡大に向けた展望等について、熱い意見交換が行われました。

5G国際ワークショップ2018の様子

開会にあたり、総務省の鈴木総務審議官からご挨拶をいただいた後、本ワークショップ組織委員会の吉田 進委員長(京都大学 名誉教授)から基調講演が行われました。

それに続いて、「2020年の5G実現に向けた取組み」と題したセッション1では、総務省新世代移動通信システム推進室長の中里学氏から「5G Initiatives in Japan」の演題で5Gの総合実証試験、技術的条件、周波数の割当、5G利活用アイデアコンテストなど、総務省による取組み概要が紹介されました。

総務省 総務審議官 鈴木 茂樹 氏(左)
5GMF会長 京都大学 名誉教授 吉田 進 氏(中)
総務省 新世代移動通信システム推進室長 中里 学 氏(右)

「携帯電話事業者におけるパートナー連携に関する取組み」と題したセッション2では、NTTドコモ ソリューションサービス部長の三ヶ尻哲也氏から「DOCOMO’S Approach to the 5G Era – Collaboration with Partner Companies -」と題して5Gトライアルサイト、DOCOMO 5G Open Lab、DOCOMO 5G Open CloudおよびOpen House 2018などの取組み概要が紹介されました。またKDDIの松永彰氏からは「Creating New Experience by 5G with partners」の演題で5Gを用いた社会問題、わくわく体験の追及、地域創生、デジタルトランスフォーメーションに関する取組み概要が紹介されました。セッション2の最後に、ソフトバンクの船吉 秀人氏から「“5G x IoT Studio” and Co-creation」と題して、5Gの核となる技術、実証試験、Open “5G x IoT Studio”、デモによる5Gを感じる取組みなどの概要が紹介されました。

NTTドコモ ソリューションサービス部長 三ヶ尻 哲也 氏(左)
KDDI モバイル技術本部シニアディレクター 松永 彰 氏(中)
ソフトバンク 先端事業企画部長 船吉 秀人 氏(右)

セッション3では「地域におけるパートナー連携の取組み」と題して、欧州の取組について、Ericsson社のDr. Håkan Ohlsénから「5G Industry and Spectrum」と題して、2023年における市場予測、世界各国のパートナーとの連携、インダストリー4.0、5G周波数などの取組み概要が紹介されました。韓国の取組について、Dankook UniversityのProf. HeyonWoo Leeから 「5G Global Collaboration and Vertical Trials in Korea」と題して、5Gフォーラム、5Gバーティカルサミット、海外のフォーラムとのコレボレーションや多国間の枠組みを使った活動、周波数オークション、市場予測、5G Convergenceタスクフォース等の取組み概要が紹介されました。インドネシアの取組について、Telkom UniversityのAssociate Prof. Khoirul Anwarから「Indonesia i5GF: Contributions and Cooperations on 5G for Regional/Local Impacts」と題して、5Gサービスとトライアル、パートナー連携、インドネシアに合ったチャネルモデル、5G周波数、衛星との共用 自然災害、交通渋滞対策などの取組み概要が紹介されました。会津若松の取組について、会津若松市企画政策部長の高橋智之氏から「“Visualization” of Sake production process by data」と題して、本取組みを始めた背景、稲の生育分析、醸造工程のデータ化、5G & IoTに対する期待等が紹介されました。徳島の取組について、株式会社プラットイーズ 取締役会長の隅田徹氏から「5Gサテライトオフィス 〜徳島県神山町から〜」と題して、えんがわオフィス「蔵」開設の背景、プラットイーズ社での働き方、移動するサテライトオフィスの取組み概要が紹介されました。セッション3の最後に、モデレータの三瓶政一教授から「労働力が減る中で、社会を維持していくために、5Gを活用したパートナーとの連携やコスト設計等が重要となる。」との総括が行われました。

欧州の取組 Ericsson Dr. Håkan Ohlsén(左)
韓国の取組 Dankook University Prof. HeyonWoo LEE(中)
インドネシアの取組 Telkom University Assoc. Prof. Khoirul Anwar(右)


会津若松の取組 会津若松市 企画政策部長 高橋 智之 氏(左)
徳島の取組 ㈱プラットイーズ取締役会長 隅田 徹 氏(中)
モデレータ 大阪大学 教授 三瓶 政一 氏(右)

最後にパネルディスカッションを開催し、セッション3の講演者とモデレータを務めて頂いた三瓶政一大阪大教授にパネリストとして参加頂き、NTTドコモ執行役員の中村武宏氏がモデレータを務め、「5Gパートナー連携の拡大に向けた展望」をテーマとして、バーティカル産業や海外の5Gパートナーとの連携における課題等について、意見交換が行われました。


モデレータ 中村武宏 氏(左)
パネリストの方々(右)

モデレータの総括として、「5Gを知らない業界へ5Gプロモーションを促進し、成功事例を共有していくことが重要。各国で5Gを活用した地域に根差した産業振興の枠組作りが、現在進行中の段階である。海外との連携については、ワークショップ等での意見交換が活発に行われているが、バーティカル産業も巻き込んだ議論を促進すべき。」と締めくくられました。

終了後に行われた、登壇者・関係者による記念撮影