ローカル5G FAQ

Q1. ローカル5Gとはどのようなシステムですか?

A1. ローカル5Gとは、携帯電話事業者による全国向けの第5世代移動通信システムとは別に、地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物や敷地内でスポット的に柔軟にネットワークを構築し、利用可能とする無線システムです。

Q2. ローカル5Gの特長を教えてください。

A2. ローカル5Gには、以下のような特長があります。
・携帯事業者によるエリア展開が遅れる地域において5Gシステムを先行して構築することが可能。
・使用用途に応じて、必要となる性能を柔軟に設定することが可能。
・他の場所の通信障害や災害などの影響を受けにくい。
・Wi-Fiと比較して、無線局免許に基づく安定的な利用が可能。

Q3. ローカル5Gは、どのような市場、分野での活用が考えられるでしょうか?

A3. ローカル5Gは、地域のニーズや産業分野毎の個別ニーズに対して、各々のセキュリティレベルや通信網構成をはじめとする目的に特化した高度な無線通信システムの利用環境を柔軟に構築/利用できるため、医療、建設業、農業、製造業、物流等の様々な産業分野における利活用が考えられます。
ローカル5Gの利活用により、ビジネスモデルの変革や新たな産業創出を促進が期待されます。

Q4. どのようなローカル5Gを利用した提案が考えられますか?

A4. 例えば、以下のようなご提案が考えられます。
・工場設備稼働状況の把握と予知保全
・広域現場におけるICTの高度化
・閉空間(地下軌道)の保守及び監視対応
・人流・物流の安全保安環境のICT化
・医療(感染症対策)の高度化
・農作物生産現場の高度化
・自治体避難所の情報伝達
・過疎地対策に向けたICT環境整備によるまちづくり
・地域データ(交通情報)収集活用による新たな市場活用
・高度化防災システムの複数自治体での共用

Q5. ローカル5Gの電波利用料を教えてください。

A5. ローカル5Gの無線局及び自営等WBAの無線局には、以下の電波利用料(年額)が適用されます。 NSA方式はローカル5Gの利用料の他に自営等BWAを使用する場合の料金も必要です。
・ローカル5G (4.6-4.9GHz)
① 基地局 : 5,900円/局
※空中線電力が0.01W以下の場合は、2,600円

② 陸上移動局 (包括免許): 370円/局

・ローカル5G (28.2-29.1GHz)
①基地局 : 2,600円/局
②陸上移動局 (包括免許): 370円/局
(参考) 自営等BWA (2575-2595MHz)
①基地局: 19,000円/局 ※ 空中線電力が0.01Wを超える場合
②陸上移動局 (包括免許): 370円/局
 
なお、ローカル5Gと自営等BWAを1免許として開設する場合、
上記電波利用料額に変更が生じます。

Q6. ローカル5Gネットワークを運用するためには何が必要ですか?

A6. 機能別に分類すると、端末、基地局、コアネットワーク、運用管理装置ならびに装置間を接続するネットワーク(光ファイバー等)が必要です。端末には認証を行うためのSIM(Subscriber Identity Module)が必要となります。また、ローカル5Gの運用には無線従事者の選任が必要です。

Q7. ローカル5Gは無線LANと何が違いますか?

A7. 無線LANはアンライセンスバンドであり、設備運用者が他の無線設備との干渉調整を行う義務がなく短期間で低コストに開設が可能な反面、通信の安定性に劣ります。また、無線LANのセキュリティ認証はSSIDやパスワードを使用しますが、ローカル5GではSIM認証により強固なセキュリティを確保します。

Q8. ローカル5GはプライベートLTEと比べて何が違いますか? 

A8. 5Gに割り当てられた帯域の広さから「高速」な通信回線を構築できます。また5Gの特徴でもある「多数同時接続」「低遅延」のほか「ネットワークスライスライシング」に対応します。

Q9. ローカル5Gは屋外でも使えますか?

A9. 28GHz帯は屋内・屋外で使用できます。4.6~4.8GHz帯は、他の無線システムへ影響するため屋内の利用に限定されます。4.8~4.9GHz帯は屋内外で使用できますが、地域によって出力が制限される場合があります。

Q10. ローカル5Gの周波数を教えてください。

A10. ローカル5Gは、大手の携帯事業者による商用5Gサービスと、通信に使う周波数が異なっています。当初、ローカル5Gには、28.2~28.3GHzの100MHz幅が割り当てられましたが、2020年12月に、4.6~4.9GHzと28.3~29.1GHzが追加されました。
無線通信は、通信に使用する周波数帯域が広いほど、伝送速度を高速化できます。ローカル5Gは、より広い周波数の幅を利用できるようにするため、制度化が進められています。

Q11. アンカーバンドとして利用する自営BWAの周波数を教えてください。

A11. 地域BWAと同じ2575MHz~2595MHz、または1.9GHz帯TD-LTE方式デジタルコードレス電話(1,888.5MHz~1,916.6MHz)。

Q12. ローカル5Gは誰でもどこでも設置できますか?

A12. ローカル5Gは、「自己の建物内」または「自己の土地内」で、建物または土地の所有者等が自ら構築することを基本としています。
ローカル5Gを導入する場合、無線局の免許の申請が必要です。
免許の主体は、建物や土地の所有者、または 建物や土地の所有者から依頼を受けた者となります。

Q13. ローカル5GでNSA方式の場合、アンカーバンドも自分で構築が必要ですか?

A13. NSA方式の場合、制御情報を扱う通信に4G/LTEをアンカーとして使用しますが、ローカル5Gを構築する際にアンカーも併せて構築が必要です。
アンカーは自営等BWAまたは1.9GHz帯TD-LTE方式デジタルコードレス電話の周波数を使って自ら構築する方法の他に、携帯電話事業者又は地域BWA事業者の4G網を使用する方法も可能です。

Q14. ローカル5Gに市販の5Gスマホや5Gモバイルルータは使えますか?

A14. ローカル5Gで使用する周波数帯を端末がサポートしているか確認が必要です。NSA方式の場合は、制御情報の通信用アンカーバンドの周波数帯の対応も必須です。端末に実装されている無線 チップの仕様上は対応していても、技術基準適合認証がなされていない等により利用制限されている場合があるため、端末メーカへ確認することを推奨します。
ローカル5Gで使用するSIMが利用できることも必須条件。端末機器のSIMロックの解除が可能か、e-SIMの書き換えが可能か確認が必要です。

Q15. ローカル5G用SIMの入手方法を教えてください。

A15. 個別にご相談に応じます。
ご相談・ご提案依頼窓口」をご確認の上、「相談シート」にてご連絡ください。

Q16. ローカル5G環境を導入前に体験・検証する環境はありますか?

A16. さまざまなプログラムや取組がございます。
個別にご相談に応じますので、「ご相談・ご提案依頼窓口」をご確認の上、「相談シート」にてご連絡ください。
 
【ご参考】
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ) ウェブサイト
「5G・ローカル5G Q&A集 第1.1版」の公開について
https://www.ciaj.or.jp/topics2021/7007.html
 
●本FAQは、CIAJ(5G/Beyond5Gシステム委員会)様の全面的なご協力の元、作成しております。
●本FAQは、皆様のご意見により随時更新をしてまいります。
ぜひ「ご相談・ご提案依頼窓口」をご確認の上、「相談シート」により、ご連絡いただきたくお願いいたします。