CEATEC 2020 ONLINE「5GスペシャルデーⅡ」の開催概要報告
今年のCEATEC 2020は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、またここ数年CEATECが掲げてきた「Society 5.0(超スマート社会)」をより身近なものとするため、オンラインで開催されました。今回はそのオンラインサイトに用意されたコンファレンスエリアにおいて、昨年の5Gスペシャルデーに続き、10月21日(水)「5GスペシャルデーⅡ」を開催いたしました。オンライン開催ということもあり、視聴者数は例年の会場参加者を大きく上回り、大変な盛況となりました。
今後もオンデマンドにて、12月31日まで視聴が可能となっておりますので、ぜひご視聴ください。
URL:https://www.ceatec.com/ja/
1.コンファレンス名
日 付:2020年10月21日(水)
内 容:午前の部:5Gワークショップ「5G産業利用への取組と今後の展望」
共催 一般社団法人電波産業会(ARIB)、第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
後援 総務省
午後の部:5G国際ワークショップ「ローカル5G導入への取組と今後の展望」
主催 総務省
共催 第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)、一般社団法人電波産業会(ARIB)
視聴者:午前の部 4,313名、午後の部 3,394名
(コンファレンスの視聴ボタンを押し、視聴した人数)
2.開催概要
(1)午前の部:5Gワークショップ「5G産業利用への取組と今後の展望」
開会にあたり共催者である、5GMF会長吉田進氏(京都大学名誉教授)から挨拶があり、さらに同じく共催者である一般社団法人電波産業会専務理事児玉俊介氏から挨拶がありました。
続いて、総務省総合通信基盤局 鈴木 信也 電波部長より、来賓挨拶がありました。総務省としての5Gへの期待や普及展開促進のための様々な取組の説明がありました。また、「5GスペシャルデーⅡ」について午前の部、午後の部それぞれの内容についても紹介されました。
■セッション1
本セッションでは、「5G産業利用への取組状況」と題して、3名の方の講演とビデオ上映がありました。
(1)5G総合実証試験の総括
5GMF 5G実証試験推進グループ(5G-TPG)のこれまでの活動を振り返り、2017年~2020年にかけて実施してきた総務省による5G総合実証試験の実証事例の説明を通して、5G商用サービスに向けた多様なユースケースの検証内容が紹介されました。
(2)CIAJの取組(ビデオ上映)
CIAJの5G普及に向けた活動として、関係省庁への意見表明、分野別の専門家による委員会活動、有識者によるセミナーでの情報発信など、様々な活動内容が紹介されました。
(3)5Gユースケースにおけるセキュリティ
5GMFセキュリティ調査研究委員会の活動内容や本年7月に公開された白書の目的等の説明がありました。また、IoTデバイス、Connected-Vehicle、Fintechなどのユースケースにおけるセキュリティ課題について、それぞれの検討内容が紹介されました。
(4)5G/ローカル5G事業の可能性
CIAJ 調査統計委員会の活動として、ローカル5G市場のユーザーニーズ調査を実施した背景とその調査結果について説明が行われ、ローカル5Gに対して様々な関心が寄せられていることが紹介されました。
■セッション2
本セッションでは、「5G産業利用に向けた課題と今後の展望」と題して、以下の3テーマについて、5名の方によるパネルディスカッションが行われました。
・今の5Gに必要なことは?
・未開拓の通信領域、海洋、HAPS、衛星等への対応は?
・5Gの適用領域で未公開のような、視聴者が驚くような情報は?
一般のユーザは、まだ5Gの使い方が良く見えていないのではという観点から、5Gの専門家の立場として、各パネリストより様々な具体例が示されました。また今後5Gはどういったエリアに広がっていくかなどについて、活発なディスカッションが行われました。
モデレータ:中尾 彰宏 氏 5GMF ネットワーク委員会委員長(東京大学教授)
奥村 幸彦 氏 5GMF 5G-TPGリーダー(株式会社NTTドコモ)
手塚 悟 氏 5GMF セキュリティ調査研究委員会委員長
(慶応義塾大学教授)
藤本 幸一郎 氏 日本電気株式会社ネットワークサービスビジネスユニット
デジタルネットワーク事業部 上席事業主幹
大屋 靖男 氏 CIAJ 5G/Beyond5Gシステム委員会委員長(株式会社東芝)
午前の部の閉会にあたり、一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会常務理事 今井 正道氏より、挨拶がありました。
(2)午後の部:5G国際ワークショップ「ローカル5G導入への取組と今後の展望」
開会にあたり主催者である、総務省総合通信基盤局 電波部 翁長久 移動通信課長からご挨拶のあとに、5GMF会長吉田進氏(京都大学名誉教授)から基調講演が行われました。
■セッション1
本セッションでは、「ローカル5G導入への取組状況」と題して、3名の方の講演がありました。
(1)Efforts for Local 5G in Japan
総務省の取組と題して、Society 5.0の実現に向けて、総務省としてのローカル5Gに対する様々な施策や、実証試験に対する取組の説明がありました。
(2)5G, Smart Factory in Korea
アジアの状況(5G工場利用)と題して、韓国ではローカル5Gの制度は導入されていませんが、既に2019年4月に商用化が始まっている韓国の5Gの普及状況の説明や、韓国 5G Forumのスマートファクトリーへの様々な先進的な取組などが紹介されました。
(3)Utilization and Application of 5G
in Japanese Agriculture
日本の状況(農業利用)と題して、総務省によるローカル5G等開発実証の農業分野のマネジメント担当として、日本の農業の状況や、様々なローカル5Gの活用事例の説明が行われました。
■セッション2
本セッションでは、「ローカル5G普及促進への取組と今後の展望」と題して、以下の4名の方によるパネルディスカッションが行われました。また冒頭、総務省 金澤直樹 地域通信振興課長より、「Promotion and Deployment of Local 5G(ローカル5G等普及展開に向けて)」と題して、総務省の取組について概要説明がありました。パネルディスカッションでは、以下の4テーマに沿って、諸外国と比較した日本のローカル5Gの特長や意義、今後の普及促進における課題などについて、それぞれの立場で様々な角度から、活発なディスカッションが行われました。
・韓国における工場での5G利活用の状況
・日本におけるローカル5G等の制度や狙い
・ローカル5Gの特徴とキャリア5Gとの違い、利活用と地方展開
・ローカル5Gのアプリ開発と今後の展開
モデレータ:関口 和一 氏 株式会社MM総研 代表取締役所長
元日本経済新聞社論説委員
金澤 直樹 氏 総務省 情報流通行政局 地域通信振興課長
Seong-Lyun Kim 氏 韓国 5G Forum(延世大学教授)
鈴木 亨弘 氏 株式会社クニエ マネージャー
岩浪 剛太 氏 5GMF アプリケーション委員会委員長
(株式会社インフォシティ代表取締役)
午後の部の閉会にあたり、5GMF事務局長 大村好則氏より、挨拶がありました。