第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)は、第5世代移動通信システム(5G)の早期実現を図るため、必要となる研究開発及び標準化に関する調査研究、関連機関との連絡調整、情報の収集並びに普及啓発活動を行う団体です。

5Gでは、単なる大容量化のみならず、第4世代移動通信システムまでのモバイルブロードバンドとは異なる質的な変化が予想されています。すなわち、5GMFでは「エンドツーエンドの品質提供」と「究極の柔軟性の実現」をキーコンセプトとして捉え、ヒトとヒト、ヒトとモノ、そしてモノとモノをつなぐエコシステムの要となる“拡張(advanced)ヘテロジニアス網”の構築や、“ネットワークのソフトウエア化”をベースに、その実現を図っていこうとしている点に最大の特徴があります。

これは、従来型の無線通信技術主導型の世界から、サービスやアプリケーションが主役になる時代への転換を意味します。そして、エンドユーザーに身近に体感していただける具体的事例としてIoT(Internet of Things)があります。今後、5Gで接続される網が、循環系すなわちエコシステムとして発展し、その中でIoTは様々な産業界(verticals)を巻き込んだムーブメントとして大いに成長することが期待されています。

本フォーラムは平成26年9月30日に設立され、世界の標準化団体・関連組織と連携しつつ活動してまいりましたが、今後はこのようなIoTムーブメントをはじめとする5Gエコシステムの実現に向けた活動を推進すべく、様々な実証実験を本格的にスタートさせるフェーズに移行します。世界を巻き込んだ新しいエコシステムの構築はまさに佳境を迎えています。

また私たちは、5Gの研究開発や標準化に貢献するだけではなく、課題先進国としての日本ならではの問題を先行して克服・提案していきたいとも考えています。そのためにもIoT関連サービスや5Gの能力を活かした新しいサービスやアプリケーションを手がけてみたいとお考えの様々な分野の皆様の参画を期待しています。垣根を超えた意見交換が、グローバルに通用する新しい5Gの利活用やIoTのアイデアの創出の場として、大いに役立つものと確信しています。

5GMFは様々な普及啓発活動と実証実験を推進して、我が国の移動通信の発展に寄与して参りたいと存じますので、皆様方の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。併せて、我が国の移動通信サービスの発展のため、より多くの方々のご参加をいただけますようお願い申し上げます。

第5世代モバイル推進フォーラム 会長 吉田 進