第5世代モバイル推進フォーラム事務局長に就任して 事務局長・佐藤孝平
【事務局】
2015年09月15日
事務局長 佐藤孝平
6月29日に明治記念館で開催された第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)の平成27年度総会において、吉田会長からフォーラムの会務を統括するための事務局長に指名されました一般社団法人電波産業会(ARIB)の佐藤です。
今後、事務局長からのメッセージということで、私が参加した5G関連の国内外の会議やイベントでのトピックスを交えて、5Gを取り巻く最近の状況と展望等について発信していきたいと考えております。
今回は、平成27年度総会に関連する2つの話題についてお話し致します。
<顧問会議での指摘事項とその対応について>
総会に先立って、顧問会議の第1回会合が開催されました。18名の顧問の方々に参加頂き、委員会からの活動報告等に対して活発な質疑応答が行われました。会議では、技術的な内容に関する質問だけではなく、フォーラムの戦略・方針に係わる重要な指摘事項もございました。ここでは、2つの指摘事項とその対応について説明します。
1) 5Gの能力や性能を共有して、5GMFの共通目標として設定すべき。
⇒ アプリケーション委員会の活動の一環として、ユーザーニーズ調査と合わせて、「5Gモバイルのケイパビリティ」の分かり易いイラストを作成し、フォーラム全体で共有するとともに、外部にも発信することとしました。
2) 現在のホームページでは具体的な議論の様子が不明。議論の途中経過についても可能な範囲でメンバーに公開すべき。
⇒ 更なる情報発信の必要・重要性は認識しており、①ニュースレターでの定期的な活動報告(5GMF News Letterの発刊を予定しています)と②ホームページの充実化を図ることとしました(9月15日にリニューアルしました)。
<5Gモバイルの総合実証試験について>
平成27年度総会での決定を踏まえて、翌日、「第5世代移動通信システム(5Gモバイル)に関する総合実証試験の実施について」という報道発表をしました(本ホームページでもお知らせしております)。
2020年に5Gモバイルを円滑に実用化させるために、無線、ネットワーク、アプリケーション及び端末を連携させた総合的な実証試験を2017年度から開始するというもので、7月1日の新聞でも取り上げられ、海外からも既に問い合わせが来ており、本実証試験に対する関心の高さが伺えます。
実証試験の内容や方法等に関する具体的な検討については、今年から来年にかけて集中的に議論することになります。私は、5Gモバイルの設備、装置及び端末を提供する可能性のある企業が積極的に参加して、実環境で実証試験が行われることを期待しています。
また、5Gサービスのアプリケーション開発者やサービス提供者等の幅広い関係者の参加も期待しています。報道発表では、「『実証のねらい』に賛同する国内外の企業などがオープンに参加できることが基本」と言っておりますが、本実証試験に対する関心の高さを考えると何等かのガイドラインが必要だろうと考えています。
最後になりましたが、総会終了後に、事務局次長に指名された大村好則氏(ARIB研究開発本部 移動通信グループ担当部長)及び岡本康史氏(一般社団法人情報通信研究委員会(TTC) 担当部長(標準化))と協力し、5GMFの活動を円滑に推進するとともに、更なる発展のために最善を尽くす所存ですので、ご支援ご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
少々堅苦しい内容になってしまいました。次回からは、もう少し身近なトピックスを盛り込んでまいりたいと思います。どうぞ、ご期待下さい。