第5世代移動通信システム(5G)ワークショップ2016が開催されました
主催: 総務省
共催: 第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
日時: 2016年10月5日(水)14:00〜17:30
会場: 幕張メッセ国際会議場コンベンションホールB
来場者: 約600名
CEATEC2016において、第5世代移動通信システム(5G)に関する第3回ワークショップを昨年に引き続き開催しました。今回は5Gの実現に向けた国内外の取組みや、5Gの活用が想定される産業界から講演者をお招きし、5Gの利活用に関する期待や要望を講演いただきました。
また、パネルディスカッションでは、2020年以降の5Gの世界における新たなモバイルサービス等について活発な意見交換がされました。
開会挨拶
総務省/総務副大臣 あかま 二郎 氏
基調講演
京都大学/特任教授・名誉教授 吉田 進 氏
(5Gワークショップ組織委員会 委員長、第5世代モバイル推進フォーラム会長)
プレゼンテーション概要
◇セッション1:5G実現に向けた国内外の取組
2020年の5G実現に向け、5GMFにおける5Gシステム総合実証試験の検討状況や、中国、韓国における5G実現に向けた取組みが紹介されました。
日本(5GMF):奥村幸彦(5GMF・5Gシステム総合実証試験推進グループ・リーダー)【代理】須山 聡(副リーダ)
テーマ:5Gシステム実現に向けた総合実証試験
要旨:総合実証試験のコンセプト、参加予定者、スケジュール、検証項目、実証の例などの紹介
中国:Dr. Wen Tong(Huawei Technologies Co., Ltd.)
テーマ:5G Trial Activities in China
要旨:中国におけるこれまでの5Gトライアル(Step 1)とその結果の紹介、今後(Step 2)のトライアルの目的、要求条件、スケジュールなどの紹介
韓国:Dr. Seongkwan Kim(kt Corporation)
テーマ:KT 5G Plan; Recent Activities and Future Plan
要旨:5Gの必然性と経緯、テクノロジー、韓国でのトライアル結果、主なフィーチャーの候補の紹介、エコシステムとしての5G実現に向けた活動の紹介
◇セッション2:5Gと利活用産業との連携
5GMFにおける5G時代の新しいモバイルサービスの検討状況をご紹介するとともに、5Gの利活用に関する期待や要望などについて、5Gの活用が想定される産業界からご講演いただきました。
岩浪剛太氏(5GMFアプリケーション委員長)
テーマ:5Gモバイル通信のためのアプリケーション開発
要旨:アプリケーション開発者の目を通した5Gへの期待、5G時代のアプリケーションに関する考察、近未来におけるワイヤレスサービスの利用イメージ
菅沼英明氏(トヨタ自動車)
テーマ:Connected Carの最新動向と5Gへの期待
要旨:ITSサービスの歴史と実現例などの紹介、自動運転実現に向けた取り組み、クルマと地域社会とのつながり、5Gおよび通信技術への期待
桑原英治氏(綜合警備保障)
テーマ:先進技術で進化する警備サービス
要旨:警備システムとハイテクとの関わりとその利活用、サービスの多様化と拡大などの紹介と5Gへの期待
井上淳也氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)
テーマ:2020東京オリンピック・パラリンピックにおける5Gへの期待
要旨:リオ五輪でのトピックス、東京大会のビジョンなどの紹介と5Gへの期待
パネルディスカッション概要
5GMF技術委員会・三瓶 政一委員長(大阪大学教授)をパネリストに迎え、5GMFの企画委員長代理の中村武宏氏がモデレータを務め、5Gを実現するための実証試験等の課題や通信業界以外の産業界との連携、一般の方々へも5Gへの関心を高める方法等について、意見交換を行いました。
・昨年までのパネルディスカッションとは趣を変え、今回は5Gの利活用が想定される産業分野・業界の参加を得ることで、利活用分野の皆様との意見交換ができました。
・日中韓それぞれで2年間隔で五輪開催が予定されていることから、各国間での連携についても意見交換が行われました。そして、各国で得られた知見、特に利用周波数帯の検討や技術仕様策定などでの情報共有と連携の重要性・必要性などで意見が一致しました。
・5Gの利活用が想定される産業分野・業界からは、“技術ありき”ではなく、利用側の課題解決や新たな価値創出に向けて『5Gならでは』の明確化が求められるとともに、それらの実現に向けて検討、議論などの協力・連携へ期待が寄せられました。
・5GMF技術委員会の三瓶委員長からは、5Gに求められることが情報配信だけではなく、(機械等の)制御の領域にまで広がることになり、技術面やビジネスモデルなど、これまでとは異なったアプローチでの検討が必要であることが指摘されました。