第6回グローバル5Gイベント概要報告
第6回グローバル5Gイベントが、5G Brazil主催で2018年11月28日~29日にブラジルのリオデジャネイロ市において開催された。世界各国から200名を超える政府関係者、専門家、業界関係者が集まり、「5G Technology Changing Paradigms of a New Society」をテーマに活発な議論がおこなわれた。また、11月30日には、IEEE 5G Summit Rioが併催され、ブラジル中心に約100名の参加があった。
今回のイベントでは、各国の周波数政策、標準化、実証試験の最新状況、地域特有の課題に対する取組み、ビジネスチャンス、商用化計画、チップセット、研究と技術の動向、Beyond 5G等、多岐にわたる具体的な報告があり、5G商用サービスがいよいよ現実のものとして実感できるイベントとなった。
■第6回グローバル5Gイベント概要
・日程: 2018年11月28日(水) ~ 29日(木)
・場所: Pestana Hotel、リオデジャネイロ市(ブラジル)
・主催: 5G Brazil(ブラジルの5G推進団体)
・Web: http://6thglobal5geventbrazil.org.br/en/home/
・登壇者: 日本から以下の5名が参加し、延べ約70名のモデレータ・スピーカーが登壇
中里学氏(総務省)、奥村幸彦氏(NTTドコモ)、黒澤葉子氏(KDDI)、中村隆治氏(富士通)、佐藤孝平(第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF))
■概要
・日米欧中韓伯の政府関係者、5G推進団体、専門家と業界関係者、合計200名以上が参加した。
・2日間にわたるイベントでは、オープニングセッション、8つのパネルセッション、メインスポンサーであるHuaweiから2つのキーノートスピーチがおこなわれ、延べ約70名のモデレータ・スピーカーが登壇した。
・開催国であるブラジルは、広大な国土の1%に85%の人口が集中しており、他の国とは異なるブラジル特有のユースケース(農場管理や遠隔教育など)や課題に対する取り組み(衛星利用やスーパーセル基地局)が印象的であった。
・オープニングセッションでは、「Government Policies for 5G」をテーマに、各国・各地域の政策について6件の講演がおこなわれた。総務省移動通信課新世代移動通信システム推進室長の中里学氏は「5G Progress Status in Japan」と題して、2020年に向けた日本の5Gの状況と政策として、実証試験、周波数割当て、共用検討について講演をおこなった。また、FCCのJulius Knapp氏は、米国では5G技術の促進を目的とした戦略(5G FAST Plan:スペクトラムの供給、インフラ政策の更新、規制の近代化を計画)を推進しており、加えて、5G用として1GHz以下の帯域、WiFi用として6GHz帯と95GHz超帯についても検討していることが報告された。
・8つのパネルセッションでは、中里学氏(総務省)、中村隆治氏(富士通)、黒澤葉子氏(KDDI)、奥村幸彦氏(NTTドコモ)がそれぞれ講演を、佐藤孝平氏(5GMF)がモデレータを担った。
・最後に、5G-IAから第7回グローバル5Gイベント(次回から年1回開催、EUCNC2019と併催)が、2019年6月17日~18日にスペインのバレンシア市において開催されることがアナウンスされ、2日間のイベントを締めくくった。(http://www.7thglobal5gevent.eu)
・なお、イベント後に開催されたTPC(Technical Program Committee)において、今会合の反省点や次回に向けた改善点に関する意見交換を行うと共に、2020年のイベントはIMT-2020 PGがホストで中国において開催予定(6月を予定)であることが確認された。
中里学氏(総務省)
奥村幸彦氏(NTTドコモ)
黒澤葉子氏(KDDI)
中村隆治氏(富士通)
佐藤孝平氏(5GMF)