「5Gセキュリティワークショップ~安心安全な5G社会に向けて~」概要報告

5GMF/ARIBの共催により、2019年5月30日(木)にWTP2019セミナー「5Gセキュリティワークショップ~安心安全な5G社会に向けて~」が開催されました。

本ワークショップでは、昨年設立した5GMF企画委員会セキュリティ検討アドホックの2019年5月末時点までの検討結果を発表するとともに参加者と登壇者によるQ&Aセッションが行われました。

1 ワークショップ名称:5Gセキュリティワークショップ~安心安全な5G社会に向けて~
2 開催形態:5GMF/ARIB共催、総務省支援・協力
3 日時  :2019年5月30日(木)10:30~12:30
4 場所  :東京ビックサイト WTP2019展示会場内「セミナー会場3」
5 参加者 :約100名
6 主な内容:

主催者挨拶として、5GMF事務局長代行 大村 好則氏から開会挨拶及び5GMFの最近の活動について紹介があり、引き続き次の講演が行われました。

はじめに、「5G実現に向けた総務省の取組」と題して、総務省 移動通信課課長補佐 中村 元氏から総務省の5Gへの取組が紹介されました。2019年度に3年目となる総合実証試験は地方発の発想による実証テーマを募集して地方の課題解決に力点を置いた実証を行うこと、周波数割当は通信事業者への割当が完了(2019年4月)し、次に通信事業者以外の様々な主体(地域の企業や自治体等)が自ら5Gシステムを構築可能とするローカル5Gの周波数割当を行う予定であることが紹介されました。

次に、「5GMFセキュリティ検討アドホックの紹介、5Gセキュリティの全体概要」と題して、5GMFセキュリティ検討AHリーダーの慶應義塾大学特任教授 手塚 悟氏から、5GMFセキュリティ検討アドホックの活動内容及びアドホック活動をさらに進展させるために「セキュリティ調査研究委員会(仮称)」の5GMFへの設置を検討している旨の紹介がありました。

また、5GMFでは今後3つの5Gユースケース(IoT、FinTech、Connected Vehicle)のセキュリティについて検討していく旨の報告がありました。

5GMF事務局長代行 大村 好則氏(左)、総務省 中村 元氏(中)、慶應義塾大学 手塚 悟氏(右)
5GMF事務局長代行 大村 好則氏(左)、総務省 中村 元氏(中)、慶應義塾大学 手塚 悟氏(右)

(1)ユースケース1
IoTセキュリティについて、5GMFセキュリティ検討AHサブリーダー 石井 一彦氏(NTTドコモ)から紹介がありました。国内外の多くのIoTセキュリティ関連文書等の調査結果及び関連文書等から5GMFで検討すべき12項目の課題を抽出・整理した旨の紹介がありました。

(2)ユースケース2
FinTechセキュリティについて、5GMFセキュリティ検討AHサブリーダー川野 隆氏(日立製作所)から紹介がありました。5GにおけるFintechサービスの分類、金融サービスモデルの変化に触れセキュリティ検討ポイント及び現状の個人認証の課題と解決の方向性(ライフスタイル認証、生体認証、API連携)が紹介され、5Gにおけるセキュリティの検討項目として、2つの項目(サービス事業者間認証関連、個人認証関連)の紹介がありました。

(3)ユースケース3
Connected Vehicleセキュリティについて、5GMFセキュリティ検討AHサブリーダー 田中 俊昭氏(KDDI)から紹介がありました。Connected Vehicleの4つのサービス分野とネットワーク要件及びConnected Vehicleへの適用が想定される5Gの基盤機能(MEC、C-V2X、ネットワークスライシング等)の紹介があり、各サービスでの脅威の洗い出し、そこからサービス実現に向けた5Gのセキュリティ課題の検討状況の報告がありました。

NTTドコモ 石井 一彦氏(左)、日立製作所 川野 隆氏(中)、KDDI 田中 俊昭氏(右)
NTTドコモ 石井 一彦氏(左)、日立製作所 川野 隆氏(中)、KDDI 田中 俊昭氏(右)

Q&Aセッションでは、Connected Vehicleのサービスに則した認証方法、FinTech時代のサービスモデルについて、質疑応答が行われました。また、ホワイトペーパーの取り纏め等、今後の活動についても質疑があり、参加者の5Gセキュリティに対する強い関心と活動への期待がうかがわれました。

ワークショップの様子
ワークショップの様子