第26回 ITS世界会議 概要報告
2019年10月21日(月)から25日(金)まで、Suntec Singapore Convention & Exhibition Centre(シンガポール)において、Land Transport Authority、ITS Singapore主催で第26回ITS世界会議が開催されました。今回のイベントは、世界各国からITS関係者、政府関係者が集まり「Smart Mobility, Empowering Cities」をテーマに講演と展示がおこなわれました。
ITS情報通信システム推進会議と第5世代モバイル推進フォーラムは、ジャパン・パビリオン内に展示ブースを出展し、日本における活動状況を紹介するとともに、これまでの成果をまとめた報告書やブックレットの配布をおこない、ITS関係者から高い関心が示されました。
【開催概要】
・開催期間:2019年10月21日(月) ~ 25日(金)
・参加者:約14500人* (*速報値)
・講演者数:752人*
・参加地域:90ヶ国*
・出展団体数:321団体*
10月21日に開催されたセッションSIS02では、ARIBの小山主任研究員がモデレータを務め、「RADIO COMMUNICATION TO REALISE CONNECTED VEHICLES」をテーマに講演がおこなわれました。セッションにはITU-R、日米欧の政府、産業界の代表者が参加し、DSRC、LTE/5G-V2Xなどの様々な連携の可能性について議論されました。日本からは、総務省の原係長が日本のITSに向けた戦略について講演をおこないました。
10月23日には、セッションAP04、SIS29およびAE08が開催されました。
セッションAP04では「THE ROLE OF GOVERNMENT FOR DEPLOYING CONNECTED AND AUTOMATED VEHICLE IN JAPAN」をテーマに講演がおこなわれました。日本からは、総務省の五十嵐室長が「MIC’s Recent Activities on ITS」と題して、ETC、ITS Connect、5Gによるモビリティサービスの現状、Connected Carに適した技術的検討など日本におけるITSの取り組みについて講演をおこないました
セッションSIS29では「5G FOR ITS: THE FUTURE BASELINE FOR INTER-MODAL MOBILITY AND AUTOMATED DRIVING」をテーマに講演がおこなわれました。日本からは、NTTドコモの永田氏が「LTE/5G V2X and NTT DOCOMO Activity」と題して、Cellular V2Xの現状、NTTドコモの取組みについて講演をおこないました。
セッションAE08では「5G and IoT Boosting the Digital Transformation of the Automotive Sector」をテーマに講演がおこなわれました。日本からは、5GMFの大村事務局長がnew business models for automated mobility の中で「Current Activity and Prospect towards 5G-IoT, – How to promote new business model -」と題して、5GMFの活動状況、日本における5GとIoT商用化、5G-IoTに向けたビジネスモデルの可能性について講演をおこないました。
展示会場中央に位置するジャパン・パビリオンにおいて、ITS情報通信システム推進会議と第5世代モバイル推進フォーラムが、それぞれブース展示をおこないました。各ブースでは、日本における活動状況をパネルやビデオを用いて紹介するとともに、これまでの成果をまとめた報告書やブックレットの配布をおこないました。また、会場内のトヨタブースでは、「V2X Toward Ultimate Goal of Zero Crashes」のコーナーを設け、ITS Connectの紹介やDSRC(802.11bd/NGV:Next-Generation V2X)とV2X(LTE/NR:New Radio)を比較したパネル展示をおこない注目を集めていました。
最終日のクロージング・セレモニーでは、期間中の講演について優秀表彰をおこない、次回のITS World Congressが、ITSアメリカの主催で「The New Age of Mobility」をテーマに、2020年10月4日~8日に米国ロサンゼルスで開催されることが報告され、5日間にわたる会議を締め括りました。