海外の5G動向【2022年3月度】
NTTが海外でのプライベート5G実装を加速させている。3月18日付のCapacity Mediaによれば、仏電気機器メーカーのシュナイダーエレクトリックが、製造現場へのローカル5G導入でNTTと提携した(NTT and Schneider Electric partner on P5G for IoT and wireless)。両社は2022年の早めに、米ケンタッキー州レキシントンにあるシュナイダーのスマートファクトリーでNTTのP5G(Private 5G)プラットフォームの試験運用を計画している。なおNTTは国内でも企業向けのローカル5Gサービス「ギガらく5G」を2022年5月から全国で提供すると発表しているが、これはこれまでの約5分の1の費用(月額30万円程度)という低価格でローカル5Gを構築・運用できるのが特徴だ。
以下、2022年3月の世界の5G・ローカル5Gの動向をお伝えする
5Gスマートフォン販売台数、初の4G端末超え【Fierce Wireless 3/18】
調査会社Counterpoint Researchによれば、世界のスマートフォン販売に占める5Gスマホのシェアは2021年1月、51%に到達。4Gのみに対応するスマートフォンを初めて上回ったという。5Gスマホの普及率は、価格競争力のある端末が多い中国で84%と最も高かった。また、北米では73%、西ヨーロッパでは76%だったという。
原文:5G smartphone sales outpace 4G for the first time
プライベートLTE/5Gインフラ市場は2026年までに83億ドル規模に(IDC予測)【Enterprise iot insights 3/14】
米調査会社IDCの新たな調査は、世界のローカルLTE/5Gインフラ市場の規模が2026年までに83億ドル(約1兆円)に拡大すると予測。
2021年時点で17億ドルであった同市場の規模は、2022年〜2026年にかけて年平均成長率35.7%で拡大する見込みだという。
原文:Private LTE/5G wireless infra market to exceed $8.3bn by 2026: IDC
ノキア、5Gオープンイノベーションラボへの参加を発表【Nokia 3/8】
フィンランドのノキアは3月8日、シアトル近郊を拠点とするグローバルなテクノロジー・エコシステム「5G Open Innovation Lab」に企業スポンサーとして参加したことを発表。ノキアはすでに同ラボと複数のプログラムに取り組んでおり、農業業界の課題解決のための5G屋外実験の支援なども行っているという。
LG CNS、韓国で2番目のプライベート5G事業者に【Aju Business Daily 3/3】
LGグループでシステム関連サービスを手がけるLG CNSが先ごろ、韓国で2番目のプライベート5G事業者となるための認可を政府に申請。AIやビッグデータ、IoTをベースにした統合スマート工場プラットフォーム「Factova」を展開している同社は、「5Gとスマート工場を組み合わせ、製造業顧客のDXを加速させる」とコメントしている。
原文:LG CNS applies for government permission to become second private 5G network operator
2028年までに6Gサービスの商用化を目指す韓国【Yonhap News Agency 3/2】
韓国科学技術情報通信部のイム・ヘスク長官は3月2日、ベルセロナで開催された「MWC 2022」の中で、同国が2028年までの6Gサービス商用化を目指すことに言及。「現行サービスの50倍の速度を持つネットワークと最大地上10kmまで拡大したカバレッジを提供する」と語った。また、ヘスク長官は米国やフィンランド、インドネシアと2国間会談を行い、5Gや6G、メタバースに関するパートナーシップについて議論したことも明かしている。
原文:S. Korea aims to commercialize 6G mobile services by 2028: ICT minister
クアルコム、プライベート5Gでマイクロソフトと提携【Fierce Wireles 3/1】
米チップメーカーのクアルコムは2月28日、バルセロナで開催された「MWC 2022」の中で、エンドツーエンドのエンタープライズ向けプライベート5Gソリューションの提供でマイクロソフトと提携することを発表。自社の5Gプラットフォームをマイクロソフトの「Azure Private MEC」と組み合わせ、企業がローカル5G導入にかかる時間を大幅に短縮する狙いだという。
原文:Qualcomm, Microsoft team on private 5G play
サムスンとNTT東日本、エンタープライズ向けプライベート5Gサービス提供で協力【The Fast Mode 3/3】
サムスンは3月1日、NTT東日本のローカル5G事業拡大に向けたパートナー企業に選定されたことを発表。両社は2021年、NTT東日本のネットワーク上でのサムスンのプライベート5Gソリューションの検証を完了。2022年第2四半期からエンタープライズ向けローカル5Gサービスの提供を開始する予定だという。
原文:Samsung, NTT to Offer Commercial Private 5G Network Services in 2022
米小売業者の5G活用は2024年までに3倍に(ベライゾン調査)【Digital Trends 2/22】
米通信大手のベライゾンと調査会社Incisivによる新たな調査「2022 Connected Retail Experience Study」によれば、米国の小売業者の93%が今後数年で店舗内でのデジタル端末の使用の増加を予想。これらの端末のトラフィックを捌くための5G網への需要が高まり、ローカル5G網やハイブリッド5G網を活用する小売業者の割合は、現在の13%から2024〜2025年にかけて3倍に増加すると予想されている。
原文:5G adoption in retail stores will triple by 2024, study says