海外の5G動向【2023年4月~6月度】
日本国内におけるiPhone(Apple)のシェアは現在50%近くにまで上昇しており、海外を見渡してもここまでiPhoneのシェアが高いのは米国とオーストラリアくらいしかなく、その他の国ではAndroid端末が優勢なのが普通である。つまり日本国内ではiPhoneが5Gにどう対応するのかが5Gそのものの命運を分けることになる、と言える。その意味でAppleによる6月5日の発表、すなわち最新の「iOS 17」および「iPad OS 17」でローカル5G(SAおよびNSA)とプライベートLTEへの対応の発表は、業務用端末としてのiPhoneの活用に大きな道を拓いたと言えるだろう。さらに、米国におけるiPhoneは当初からミリ波にも対応していたので、日本国内でも次のバージョンあたりからミリ波に対応する可能性が見えてきた、と推測できる。海外におけるローカル5Gは、キャリアが主宰するプライベート5Gの活性化、そしてノキアがいよいよローカル5Gをスケールさせるフェーズに突入したことをうかがわせる動きが目立つ。
以下、2023年4月〜6月の世界の5G・ローカル5G(および6G)の動向をお伝えする。
ノキア、ラテンアメリカ地域でのローカル5G提供でテレフォニカと提携【rcrwireless 6/28】
フィンランドのノキアは6月28日、ラテンアメリカ地域におけるプライベートLTE/ローカル5Gソリューションの提供でスペイン通信大手のテレフォニカとの提携を発表した。同地域の港湾や鉱業、エネルギー、製造などの分野の大手企業のデジタル変革を加速させる。この提携により、両社はノキアのローカル無線ソリューションである「Digital Automation Cloud (DAC)」や「Modular Private Wireless (MPW)」、エッジソリューション「Mission Critical Industrial Edge(MXIE)」などを共同で展開。テレフォニカはラテンアメリカ市場の顧客基盤や周波数帯を提供する。なお、両社はすでにブラジルの石油・ガス大手のペトロブラスにプライベートLTE網を提供中であり、資源大手のヴァーレとのプロジェクトも進められている。ノキアのテレフォニカ法人顧客チーム責任者を務めるNéstor González氏は「ラテンアメリカの企業はインダストリー4.0による生産性向上の大きな可能性を秘めている」とし、「テレフォニカとともに多くの新たなネットワークを共同で展開していくことを楽しみにしている」とコメントしている。
原文:https://telecoms.com/522425/telefonica-and-nokia-partner-to-target-private-5g-market-in-latam/
世界の5G契約数、2023年末までに15億件に【prnewswireless 6/21】
エリクソンは6月21日、モバイル業界のトレンドに関する「Ericsson Mobility Report」の最新版をリリースした。この中で、世界の5G契約数がこの1年で約5億件増加し、2023年末までに15億件に達すると予想している。世界では現在約240社の通信サービスプロバイダー(CSP)が商用5Gサービスを展開しており、このうち35社がスタンドアロン(SA)方式の5Gサービスを提供しているという。CSPが提供する最も一般的な5Gサービスは、高速大容量モバイルブロードバンド(eMBB)、固定無線アクセス(FWA)、ゲームやトレーニング、教育などを含む一部のAR/VRベースのサービスとのこと。上位トップ20の5G市場では、過去2年間でCSPの収益が平均して7%増加したという。ただし、5G通信の追加のみで4Gプランから値上げしているCSPの割合は22%ほどで、多くのCSPは料金プランに何らかのインセンティブをバンドルすることで付加価値を高め、より高価格のプランへの移行を促している。音楽や動画、ゲームのストリーミング、クラウドストレージ、FWA、通信速度に基づく段階的サービスプランなどがインセンティブの例として挙げられている。
この他、同レポートでは以下のような予想やデータも出されているので注目しておきたい。
・世界のスマートフォン1台あたりの月間平均データ通信量は2023年末に20GBを突破。
・世界の5G契約数は2028年末までに46億件に到達。
・5G市場が最も急速に成長しているのは政府が「Digital India」政策を進めるインドで、2022年末時点で約1,000万件であった同国の5G契約数は、2028年末には7億件に達する。
・現在、世界では100以上のCSPが5GベースのFWAサービスを提供している。
原文:https://www.telecomtv.com/content/5g/5g-is-boosting-mobile-operator-revenues-ericsson-report-47791/
ノキアが米DXCテクノロジーと提携、プライベートLTE/5Gソリューションの提供を開始【the fastmode 6/15】
フィンランドのノキアと米ITサービス企業のDXCテクノロジーは6月15日、企業のデジタル変革を支援する新たなプライベートネットワークソリューション「DXC Signal Private LTE and 5G」を共同で提供することを発表した。新たなソリューションは、ノキアの自営無線網クラウドサービス「Digital Automation Cloud(DAC)」とエッジソリューション「MX Industrial Edge (MXIE) 」、DXCの自動化プラットフォーム「Platform X」を統合したもの。自動化の促進や柔軟性の強化、OT(Operational Technology)のデータ処理、プライバシー関連のニーズなどから広帯域・低遅延の無線網を必要とする企業に向けたもので、主に製造やエネルギー、ヘルスケア、サプライチェーン、物流、輸送、教育などの分野での利用を想定しているという。DXCテクノロジーのアプリケーション部門グローバルリードを務めるBrian Miller氏は「ノキアとのパートナーシップにより、革新的で将来も有効に使い続けられるソリューションを提供し、われわれの顧客がより高い業務効率やITとOTの融合、堅牢なデータプライバシーを実現できるようにします」とコメントしている。
Apple、最新のiOS/iPadOS 17でローカル5Gへの対応を拡大【9to5mac 6/5】
Appleは6月5日、最新の「iOS 17」および「iPad OS 17」でローカル5G(スタンドアロンおよびノンスタンドアロン)とプライベートLTEへの対応を拡大すると発表した。これにより、iPhoneやiPadの最新モデルやここ1、2年で発売されたモデルの多く(iPhoneでは13以降)が、プライベートネットワーク環境で業務用端末として利用可能になる。
新たなアップデートでは、プライベートネットワークのシームレスな活用を支援する複数の機能が追加。たとえば、企業のIT管理者は「接続優先度」を設定することで、パブリックネットワークとプライベートネットワーク間のローミングを容易にしたり、Wi-Fiよりプライベートネットワークを優先させたりすることができるという。また、企業の敷地内などあらかじめ設定されたジオフェンス(仮想的な境界)を出入りする際、キャリアSIMとプライベートネットワークSIMをシームレスに切り替えられる「ジオフェンシング」にも対応する。
同社の動きについて、あるプライベートネットワーク関係者は「ローカル5Gの普及を後押しするもの」とし、「企業にとって大きな参入障壁の1つは、ローカル5Gで利用できるデバイスにあった。今回の動きは、その問題に直接対応するもの」とコメントしている。
原文:https://9to5mac.com/2023/06/10/whats-new-with-apple-device-management-with-ios-17-and-macos-sonoma/
サムスン、建設現場向けのローカル5GでNAVER Cloudと協力【mobileworldlive 6/1】
サムスンは6月1日、NAVER Cloudとの提携を強化し、韓国建設・不動産開発大手のホバン建設向けのローカル5G網を立ち上げることを発表した。韓国の建設業界では初の試みで、3社は建設現場の安全性や効率を高めるため、様々な5Gアプリケーションを組み合わせるという。サムスンは開発中のアプリケーションについて、ドローンを活用したライブ検査やコンクリートの温度・強度を監視するためのIoTコンクリートセンサー、ガス検知センサーやフルHDカメラなどを搭載したスマート安全ジャケット、リアルタイムのCCTVビデオ監視などに言及。いずれも現場の協力体制の改善や効率的なリソースの割り当てに役立てられるという。NAVER Cloud幹部のSang-young Han氏は、「今回のサムスンとホバン建設とのコラボレーションは、韓国の様々な産業に5Gを導入する当社の取り組みにおいて、エキサイティングなマイルストーンになる」とコメントしている。サムスンとNAVER Cloudは2022年、NAVER新本社に自律型モバイルロボット運用のためのローカル5G網を導入。その際、ローカル5Gをグローバルに拡大を目指し、新たなビジネスモデルとユースケースを開発するための協力を続けることを明言していた。
原文:https://www.mobileworldlive.com/asia/asia-news/samsung-naver-cloud-construct-private-5g-plan/
原文:https://www.fiercewireless.com/private-wireless/samsung-launches-5g-network-construction-site-korea
仏キャップジェミニ、インドに6G研究拠点を開【telecom.economictimes. 5/24】
仏ITサービス企業のキャップジェミニは5月24日、インドのグルグラムに6Gリサーチラボを開設することを発表した。同拠点では、先進的なテストベッドとシミュレーターを構築し、次世代無線網のユースケースを模索するほか、6Gのアイディエーション(アイディアを出し合い、精査していくプロセス)や省エネソリューションの考案などに取り組むという。同社の技術・イノベーション分野の責任者を務めるShamik Mishra氏は、「この6Gラボでは、次世代接続技術やシリコン技術、高度なAIを活用したソリューションの試作やシミュレーション、テストが可能になる」とし、「業界全体の6G技術の取り組みを調和させることにも貢献する」とコメントしている。このほか、同社は新たな研究拠点の機能について、以下の4つに言及している。
1)高性能なコンピューターインフラを活用して高度なシミュレーション環境を構築し、将来の6Gシステムの要求を満たす新たなネットワークフレームワークを開発・検証する。
2)メッシュネットワーク、次世代アンテナ技術のRIS(reconfigurable intelligent surface)、6G専用に設計された非地上系ネットワークなど、新たな6G機能を分析するための包括的なシミュレーションを実施する。
3)6Gがもたらす無線通信の課題を解決するための先進的なAIアルゴリズムを考案する。
4)構築やテスト、資産化が可能な新たなユースケースのアイディアを導入する。
キャップジェミニは2022年5月、将来の6G技術の可能性に関するキングス・カレッジ・ロンドンとの共同研究プロジェクトを発表。大規模カバレッジやAIネイティブ、持続可能な6G網を実現するための新たなアーキテクチャ・フレームワークの開発にフォーカスすることを明かしていた。
原文:https://www.rcrwireless.com/20230525/6g/capgemini-launches-6g-research-lab-india
Amdocs、新たなローカル5Gソリューションでマイクロソフトと協力【finance.yahoo.com 5/15】
通信事業者向けのソフトウェアやサービスを手がけるイスラエルのAmdocsは5月15日、マイクロソフトと共同で新たなローカル5Gユースケースを開発したと発表した。テキサス州ダラスにあるAmdocsのAmericas 5G Experience Labで開発されたもので、産業向けのメンテナンスやトレーニング、スマートシティ向けの新たなソリューションなどが含まれるという。新たなユースケース/ソリューションは、マイクロソフトの「Azure Private MEC」および「Azure Private 5G Core」をベースに構築されたもの。様々な企業のニーズに合わせ、目的に応じたアプローチでネットワークに対応ができるもので、現在Azure Marketplace上では以下の2つが利用可能となっている。
<Amdocs Smart Lighting>
スマートシティ実現のためのエンドツーエンド・ソリューションで、安全なシステムに必要なソフトウェア、接続、ハードウェア(イスラエルのJuganu社が提供)などをまとめたもの。スマートで効率的な照明サービスに加え、パブリック/プライベートなインターネットアクセス機能、リアルタイムの環境および移動データを活用した都市管理機能などが含まれる。
<Amdocs AR Maintenance & Training>
ARを活用したメンテナンスおよびトレーニングのソリューション。現場技術者がサービスおよびメンテナンス作業を行う際、遠隔地の専門家が技術者と同じ視点のライブ映像を見ることでき、作業のサポートやトレーニングを提供できる。製造業や公益事業、通信業など幅広い業界での利用を想定している。
マイクロソフトのオペレーター向けAzureコーポレートVPを務めるTad Blockway氏は「Amdocsの通信システムおよび深い専門知識とマイクロソフトの技術を組み合わせることで、消費者や企業の体験を向上させながら、企業ネットワークの可能性を高めることに貢献できる」とコメントしている。
原文:https://finance.yahoo.com/news/amdocs-5g-experience-lab-collaborates-120000653.html
プライベート5Gアズ・ア・サービス市場、2031年に4兆6,000億円規模に【globenewswire 5/9】
米調査会社のAllied Market Researchは先ごろ、世界のプライベート5Gアズ・ア・サービス市場に関する新たな報告書をリリースした。この中で、同市場が2022年〜2031年にかけてCAGR(年平均成長率)36.2%で推移し、2031年に341億ドル(約4兆6,000億円)規模に拡大すると予測している。
このレポートによれば、安全で信頼性の高い接続への需要の急増、IoTデバイスの導入加速、低遅延・広帯域のアプリケーションへのニーズの高まりなどが同市場の成長を牽引するとのこと。市場の主要プレイヤーとしては、AWSやMavenir、Ericsson、シスコ・システムズ、Anterix、Infosys、Verizon、AT&T、ノキア、Kyndrylなどの企業が挙げられている。また、地域別では2021年時点で最も高いシェア(約40%)を占めた北米が今後も優位性を保つとのこと。一方、成長率ではアジア太平洋地域が有望で、2022年〜2031年にかけてCAGR40.6%で推移すると予測されている。なお、同レポートは新型コロナウイルスのパンデミックがプライベート5G産業に好影響を与えたとも指摘。より高速で信頼性の高い接続を必要とする製造や物流、ヘルスケア、輸送などの分野のミッションクリティカルなアプリケーションのために需要が高まったとしている。
原文:https://www.alliedmarketresearch.com/private-5g-as-a-service-market-A74509
Telenorのノキア、ローカル5Gおよびネットワークスライシングの提供で協力【telecompaper. 5/5】
スウェーデン通信大手のTelenor Swedenは先ごろ、新たに5G技術を活用した2つの法人向けサービスを開始すると発表した。顧客専用のモバイル・プライベート・ネットワークとネットワークスライシングで、ノキアと共同での提供となる。このうち、モバイル・プライベート・ネットワークでは、安全で遅延のない接続を実現し、通信事業者のエッジソリューションに接続できる専用ネットワークサービスを提供する。病院での機器の配置、監視アラームの映像分析、様々な産業におけるグループ通信などに活用でき、ニーズや予算に応じたスケールアップも可能だという。いっぽう、ネットワークスライシングサービスは、各企業のニーズに特化し、他のユーザーからの干渉を受けないデータトラフィック用のレーンを提供する。ネット接続された救急車や林業向けドローンなどモビリティやセキュリティへの要求が高いユースケース、ネットワークインフラを自ら構築することなく5G接続を確保したい企業などに適しているという。ノキアの欧州におけるグローバルパートナー事業責任者を務めるStephane Haulbert氏は「Telenor Swedenとのパートナーシップ強化し、企業の生産性向上や安全・安心を実現するデジタル変革のために、当社のハイテク・プライベート無線ソリューションを提供できることを嬉しく思う」とコメントしている。
原文:https://www.rcrwireless.com/20230505/5g/telenor-nokia-partner-offer-5g-private-networks-services
原文:https://telecomtalk.info/telenor-sweden-customer-specific-private-5gnetwork-services/700931/
英ボーダフォン、5G SA対応の新たなプライベート5Gソリューションを発表【mobileuk.org<://mobileuk.org>. 4/26】
英通信大手のボーダフォンは4月26日、新たなMPN(モバイル・プライベート・ネットワーク)ソリューションの提供を発表した。
企業や組織の独自の接続需要に合わせてネットワークの性能や特性をカスタマイズ可能にするもので、英国の通信事業者として初めて、SA(スタンドアロン)方式の5G・MPN製品を標準化したという。同社のプレスリリースによれば、このMPNソリューションには、プライベート接続のための屋内および屋外RANインフラ、ユースケースに応じた5G NSA(ノン・スタンドアロン)および5G SA接続。
オンサイトのネットワークコアインフラまたはボーダフォンUKのコアネットワークへのアクセス、同社のMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)との統合機能などが含まれるとのこと。製造、医療、運輸、物流などの業界での活用を想定しているといい、アセットトラッキングやドローン探知、機械間(M2M)接続、AR、VRなどのユースケースが挙げられている。ボーダフォンUK幹部のNick Gliddon氏は新たなソリューションについて「低遅延要件の実現、セキュリティ強化、大規模なIoTモデルの実現など、様々な可能性がある」と説明している。
原文:https://www.vodafone.com/business/iot/end-to-end-solutions/mobile-private-networks
原文:https://www.mobileuk.org/news/vodafone-launches-5g-standalone-mobile-private-network-solution
原文:https://www.datacenterdynamics.com/en/news/vodafone-launches-private-5g-standalone-network-in-uk/
Betacom、GoogleやIntel、Qualcommらと協力するプライベート5Gエコシステムを発表【fiercewireless. 4/18】
ネットワーク設計およびサービス企業の米Betacomは4月18日、ローカル4G/5G網を活用したIndustry 4.0関連の取り組みを加速させるための新プログラム「Betacom Private 5G Ecosystem」を発表した。同プログラムには現時点でGoogleやIntel、Qualcommなど15社が参加。各社の専門知識を結集し、米国企業が様々な企業アプリケーション向けのソリューションを設計・検証・展開するための「ワンストップCBRSショップ」を提供するという。同プログラムのカテゴリー別創立メンバーは以下の通り。
産業向けIoTソリューション:ADB SAFEGATE Americas,、Axis Communications、Evolon、Ingram Micro、Qualcomm Technologies、Solis Energy、SVT Robotics、Vecna Robotics
1)モバイルエッジコンピューティング:Google Cloud、Ingram Microa、Intel
2)システムインテグレータ:CDW、Ingram Micro、QuayChain
3)5GaaS技術:Airspan、Druid Software、FibroLAN、Intel、Qualcomm
Betacomによれば、メンバー企業は共同技術開発や検証、販売、ツール、トレーニング、市場開拓の取り組みでも協力。
また、Betacomは各社に、シカゴにある国立デジタル製造・サイバーセキュリティ研究所(MxD)や、ダラスのTeltech Group(ダラスの物流・サプライチェーンサービス、資産管理、技術ソリューションなどを専門とする米国企業)のリソースへのアクセスも提供する。
Betacomのビジネスパートナー戦略担当VPを務めるMichael Davies氏は「当社は容易かつ実績あるソリューションで企業の自動化の課題を解決したいと考えている」とし、「このエコシステムにより、企業のIT部門がローカル無線網を導入する際、機器やサービス、接続性をバラバラに組み合わせて管理する必要性への懸念が解消される」とコメントしている。
原文:https://www.fiercewireless.com/private-wireless/betacom-unveils-private-5g-ecosystem
台湾HTC、ローカル5Gソリューションで米DeepSigと提携【focustaiwan. 4/8】
台湾エレクトロニクス企業のHTCは4月8日、無線通信関連のAI技術を手がける米DeepSigと5Gソリューションやスマート製造、スマートシティ開発に関するMoU(協力覚書)締結を発表した。HTCの5G RAN関連子会社であるHTC G Reignsのローカル5GソリューションにDeepSigの「OmniPHY 5G」ソフトウェアを統合するほか、AIを活用したvRANソリューションでも連携を深める。HTCは今年2月、バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2023」の中で、可搬型のローカル5Gソリューション「Reign Core S2」を発表。同ソリューションは、オフィスやイベントスペース、倉庫などに約30分で導入でき、1万㎡のエリアをカバーできるものとなっている。HTC G ReignsでGMを務めるAdrian Tung氏は「G Reignsは先進的なO-RAN準拠の無線技術を市場に投入することに尽力している」とし、「DeepSigとの提携により、当社の低遅延ユースケースやIoT、スマートシティ技術に向けたローカル5G製品に、同社のAIソフトウェアを最適化することを楽しみにしている」とコメントしている。
原文:https://focustaiwan.tw/sci-tech/202304080007
米コムキャスト、ペンシルバニア州のスポーツ施設でローカル5Gのトライアルを開始【businesswire 3/30】
米ケーブルテレビ大手のコムキャストは3月30日、ペンシルバニア州フィラデルフィアにある米国最大のスカッシュ施設「Arlen Specter US Squash Center」で、CBRS周波数帯を活用したローカル5Gのトライアルを実施していることを発表した。このトライアルはコムキャスト・ビジネスが主導するもので、固定回線とローカル5Gを自社傘下のMachineQのIoTソリューションと組み合わせているとのこと。これらの設備は敷地面積約7,000㎡の同スポーツ施設内に配備され、試合のライブストリーミングのほか、温度や湿度の管理、漏電のチェック、POSシステムやアクセス制御などにも活用される見込みだという。コムキャストは2020年、CBRS周波数帯の優先アクセス免許(Priority Access License:PAL)830件を4億8,500万ドル(約640億円)で取得。今年初めには、エンタープライズ向け5GLANソリューションを手がける米Celona Networksと提携し、同社のLAN製品と自社のCBRS周波数帯を活用したイベント会場向けのローカル5G事業で協力していた。